学校長あいさつ

明治5（1872）年11月から翌年の7月にかけて、近隣のお寺の本堂をお借りして行われていた寺子屋を発展させる形で、東山田学校、西山田学校、柴宮学校が開設されました。これが長地小学校の創立にあたります。以来、今年度で152年目を迎える歴史と伝統ある本校は、これまで世界や日本各地で活躍する数多くの諸先輩方を輩出するとともに、岡谷市で一番児童数の多い学校であり、学校の課外活動である合唱団や陸上部はもちろん、野球、サッカー、卓球などの社会体育や科学・芸術分野の活動でも活躍する子どもたちが数多くいます。

また、本校の伝統であり特色でもある「版画カレンダー」製作は、今から65年前の昭和35（1960）年から現在まで脈々と受け継がれてきています。市役所や公民館、岡谷東部中学校、近隣保育園などの公共施設、学校医や評議員などのお世話になっている方々へお届けし、大変喜ばれています。この「版画教育」は、明暗のコントラストで表現する性質から、『ギリギリのところまで不要なものを捨て去る＝事象の本質を見極める』ことと、武井武雄先生や増澤荘一郎先生からの教えを今も大切にしています。この教えは、予測困難な時代、正解のない課題の最適解を見出していく時代と言われているこれからの未来を生き抜いていくためには必要な力を養ってくれるものだと考えています。

本校の教育理念は「対話する学校～社会に開かれた教育課程～」、めざす子ども像は「自分を好きと言える長地の子」です。価値観が多様化する中、子どもたちの学びは学校の中だけにあるとは考えていません。勿論、私たち教職員は、その専門性を発揮して、指導・支援していきますが、地域にいらっしゃる実践家や専門家、様々な大人の見方や考え方から生き方を学んだり、幼保の園児や中高生、大学生、高齢者まで異年齢の方々と交流したりすることで、縦に横に広がりのある柔軟で受容できる心を育てていきたいと願っています。

ぜひ、すべての「おさちっ子」のために今後ともご理解・ご協力の程をよろしくお願いいたします。私たち教職員も「チーム長地」で一丸となって、子どもたちのため地域のために努力して参りたいと思います。

令和7年4月