ヒシ除去体験事業

更新日:2025年08月28日

ヒシ
ヒシ

現在、諏訪湖では、ヒシの大量繁茂が問題となっています。

ヒシが大量に繁茂すると、ヒシの葉にさえぎられ、太陽光が湖底に届きにくくなるため、湖底で繁殖する沈水植物は光合成ができず、水中に出される酸素量が少なくなり、貧酸素状態になってしまいます。

また、ヒシにごみや魚の死骸が絡みつき、長期間ヒシの間に漂ってしまうため、景観を阻害します。また、岸にたどり着く前に紫外線などによりプラスチックが分解されてしまい、マイクロプラスチック化する可能性もあります。

 

環境市民会議おかやでは、諏訪湖の環境を守るため、岡谷市、諏訪湖漁業協同組合と協働で、「諏訪湖ヒシ除去体験事業」を実施し、手作業でのヒシの除去作業を行っています。作業を通じて、現状の認識と諏訪湖に対する意識の高揚を図ります。また、除去したヒシの一部はたい肥化して、有効活用しています。

 

作業の流れ

1、船に乗って、手作業でヒシを除去する

ヒシは湖底に根を張っているため、慎重に抜く必要があります。

2、除去したヒシをたい肥にする

除去したヒシを運び、たい肥にします。

3、学校等でヒシでできたたい肥を活用する

学校や公共施設等に配り、有効活用します。 

作業の様子

令和7年度

令和7年度はヒシが釜口水門から離れた場所で繁茂しており、往来に時間がかかったこと等から除去量は2トンと昨年度に比べ微減となりましたが、多数の方に参加していただき、参加人数は前年度を上回りました。

諏訪湖サイクリングロードの整備などにより会場付近の交通量が増加していることから、令和7年度は河川基金の助成を受けて看板を設置するなど、安全対策に重点をおいて実施しました。

参加された方からは「楽しかった」「もう少し上手に抜きたかった」「ヒシってもっと簡単に取れると思っていた」など、楽しみながら諏訪湖やヒシの現状について学ぶことができました。

R7ヒシ除去01

除去したヒシを積み込む様子

R7ヒシ除去02

ヒシを引き上げる様子

R7ヒシ除去03

船上より諏訪湖を望む

令和6年度

令和6年度は前年度を上回る人数の参加がありました。また、天候に恵まれたことから、除去量も3トンに増加しました。

令和6年度は河川基金の助成を受け水中ドローンを導入し、ヒシがどのようにして水中に生えているかなどを当日参加された方にリアルタイムの映像を見ていただきました。

参加された方々からは「こんなに根が長いとは思わなかった」「船のスクリューに絡む理由がよくわかった」といった感想のほか、「諏訪湖の水も昔に比べれば透明度が上がっていることがわかった」などと、諏訪湖の水質についての感想もありました。

R6ヒシ除去1

船上での様子

R6ヒシ除去2

ドローンで撮影したヒシの様子

R6ヒシ除去3

水中ドローンを操作する様子

令和5年度

令和5年度は新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したことから、人数制限を行わずに実施しました。

今年はあいにくの天気となり、途中から雨足が強くなってしまったため、除去量は1トン程度に留まりましたが、参加された方々からは「ヒシの植生についてよくわかった」「根元から抜くことが大切だと思う」などの声も聞こえ、諏訪湖の現状、課題をしっかり把握できたようです。

また、令和5年度は、河川基金の助成を受け簡易テント2張を導入し、参加者が日差しや雨を避けながら休憩ができる環境を整えました。また、ヒシに関するパネルを作成し、ヒシ除去の必要性を訴えるとともに、次年度以降の参加を呼び掛けました。

令和5年度ヒシ除去体験事業1
令和5年度ヒシ除去体験事業2
令和5年度ヒシ除去体験事業3

令和4年度

令和4年度は、昨年度は行わなかった一般の方々への参加の呼びかけを行いました。人数制限はさせていただいたものの、昨年度を上回る人数の参加ではありました。

今年度は、船上で箱眼鏡を使用し、湖内の様子の観察しました。参加者からは「ヒシの根の張り方すごい」「もっと除去したほうが良いのでは」との声も聞かれました。

今年度は、ヒシの生育が悪く、参加者も制限させていただいていたため、除去量は2トンとなりました。

令和4年度ヒシ除去体験事業1
令和4年度ヒシ除去体験事業2
令和4年度ヒシ除去体験事業3

啓発チラシ

ヒシ除去啓発パネルを貸し出します

岡谷市では、ヒシの生態と除去の必要性を訴えるため、ヒシ除去啓発パネルを作成しました。

学校・事業所・各種団体の皆様への貸し出しを行いますので、イベント等への展示など、ぜひご利用ください。

注意事項

・貸し出しは無料です。

・期間は3週間以内です。3週間を超える貸し出しを希望する場合はご相談ください。

・パネルをかけるイーゼル(スタンド)の貸し出しも可能です。

・破損等の際には、実費弁償をしていただく場合があります。

パネルの内容

1.ヒシとはどんな植物か

2.ヒシに関するQ&A

 

サイズ・形状:A1 縦型 布製タペストリー型

これまでの除去量

  実施日 参加人数 除去量
令和7年 7月12日 94人 2.0トン
令和6年 7月13日 83人 3.0トン
令和5年 7月8日 63人 1.0トン
令和4年 7月9日 69人 2.0トン
令和3年 7月10日 48人 3.0トン
令和2年 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止
令和元年 7月13日 150人 5.0トン
平成30年 7月14日 150人 8.0トン
平成29年 7月15日 150人 8.0トン
平成28年 7月16日 110人 2.2トン
平成27年 7月18日 100人 3.4トン
平成26年 7月19日 90人 1.8トン
平成25年 7月20日 70人 4.62トン
平成24年 7月21日 60人 1.5トン

 

この記事に関するお問い合わせ先

環境課 環境政策・ゼロカーボン推進担当

〒394-8510
長野県岡谷市幸町8-1
電話:0266-23-4811(内線1445・1446)