子宮頸がんワクチン予防接種について
子宮頸がん予防ワクチンの接種について
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触の経験がある女性のほとんどが生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年では若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
HPVに感染すると、ウイルスが自然に排出されることが多いですが、そのまま留まることもあります。長い間排除されずに感染したままでいると一部に子宮頸がんが発生することがあります。
HPVへの感染を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に定期接種が行われています。
岡谷市では、中学1年生へ定期接種の個別通知を発送(5月中旬頃を予定)します。接種の際に必要となる予診票や厚生労働省作成のリーフレット等を発送しますので、通知が届きましたら内容をご確認ください。
すべてのワクチンの接種には、期待される効果と接種による副反応があります。厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」を参照し、医師からの説明をうけ、ワクチン接種の有効性や安全性等について十分理解されたうえで接種を行ってください。
子宮頸がんワクチンの効果
子宮頸がんは、日本で毎年約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年約2,900人の女性が亡くなっています。患者は20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1,000人います。
現在日本において受けられるワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。シルガード9は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。また、HPVワクチンで、がんになる手前の状態(前がん病変)が減るとともに、がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
これらのワクチンは、子宮頚がんの原因となる全てのヒトパピローマウイルスに予防効果があるわけではないため、ワクチンを接種した方でも20歳になったら、2年に1回子宮頸がん検診を受けましょう。
定期接種ワクチンの種類
ワクチンは、以下の3種類から選べます。効果とリスクについて理解したうえで、接種するワクチンを選択してください。
● サーバリックス(2価)
● ガーダシル(4価)
● シルガード9(9価) ※令和5年4月から接種可能
接種回数について
サーバリックス(2価)=全3回の接種で完了
ガーダシル(4価) =全3回の接種で完了
シルガード9(9価) =15歳未満は全2回の接種で完了
15歳以上は全3回の接種で完了
※15歳未満とは、15歳の誕生日の前日までのことを言います。
シルガード9(9価)の15歳未満の方への2回接種について
【2回接種の対象年齢と接種間隔】
●小学校6年生から、15歳の誕生日の前日(15歳未満)までの者は2回接種とする。
● 15歳の誕生日の前日までに1回目の接種を行えば、2回目の接種日が15歳を迎えたとしても、2回で接種を完了とする。
● 2回接種の場合の標準的な接種間隔は、1回目の接種から6か月後に2回目を接種する。
● 1回目接種と2回目接種までの接種間隔は少なくとも5か月以上とする。
● 1回目接種と2回目接種の接種間隔が5か月未満の場合は、15歳未満であっても合計3回の接種を行うこと。
接種間隔について
それぞれのワクチンの接種間隔は下記のとおりです。
交互接種について
●交互接種とは、1・2回目接種と異なるワクチンを用いて残りの回数を接種する事をいいます(令和5年4月開始)
●原則として同じ種類のワクチンを接種することをお勧めしますが、医師と相談のうえ、途中から9価ワクチンに変更し、残りの接種を完了することも可能です。この場合にも公費で接種することができます。ただし、交互接種が出来るのは原則下記の通りであり、交互接種を実施する場合は3回接種を行います。
・2価→2価→9価 ・2価→9価→9価 ・4価→4価→9価 ・4価→9価→9価
●2価または4価HPVワクチンで接種を開始し、交互接種として9価HPVワクチンで接種を完了する場合は、9価HPVワクチンの接種方法に合わせ、1回目と2回目の間隔を1ヵ月以上、2回目と3回目の間隔を3ヵ月以上あけて接種します。
★交互接種を行わない医療機関もありますので、交互接種の相談は各医療機関にお問い合わせください。
定期接種対象者と予診票発送時期
岡谷市に住民登録のある小学校6年~高校1年相当の女子(標準的な接種は中学1年生です。)
●令和7年5月中旬に中学1年生へ、予診票を同封し、個別通知を発送します。
●中学2年生~高校1年生へは、中学1年生の年度に予診票を同封して発送済です。
お手元に予診票のない方は健康推進課までお問い合わせください。
接種期間と接種場所
【接種期間】
高校1年生に相当する年度の3月31日まで
【接種場所】
※長野県内の岡谷市以外の医療機関で接種を希望する場合は、予約の際に必ず「住所が岡谷市であること」を伝え「子宮頸がんワクチンの実施医療機関であるか」を確認し予約してください。
費用
無料(接種期間を過ぎると任意接種となり、接種費用がかかります)
接種当日の持ち物
事前に医療機関に予約し、当日はオレンジ色の予診票、母子手帳、マイナ保険証等をお持ちください。
キャッチアップ接種の経過措置について
積極的勧奨が差し控えられていたことにより、HPVワクチンの接種機会を逃した方への救済措置として、令和4年4月から令和6年3月末までの3年間、キャッチアップ接種が行われました。キャッチアップ接種は終了しましたが、経過措置として平成9年度から平成20年度生まれの女子で、令和4年4月1日から令和7年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種している方は、令和8年3月31日まで残りの接種を公費で接種できることになりました。詳しくは下記をご覧ください。
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)キャッチアップ接種の経過措置について
厚生労働省リーフレット
子宮頸がんワクチンリーフレット(2025概要版) (PDFファイル: 3.4MB)
子宮頸がんワクチンリーフレット(2025詳細版) (PDFファイル: 7.1MB)
子宮頸がんワクチンリーフレット(接種後) (PDFファイル: 1.3MB)
厚生労働省ホームページ
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
予防接種被害救済制度について
予防接種は感染症を防ぐために重要なものですが、極めてまれに健康被害が発生することがあります。万が一、定期の予防接種による健康被害が発生し、一定の基準に該当する場合には、予防接種法に基づく健康被害の給付が受けられます。
詳しくは、予防接種健康被害救済制度(厚生労働省ホームページ)をご覧ください。
この記事に関するお問い合わせ先
健康推進課
〒394-8510
長野県岡谷市幸町8-1
電話:0266-23-4811(内線:1177)
更新日:2025年05月09日